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シャボン玉石けん会社訪問《対談編》前半
カテゴリー:ポルト解剖
ゲストハウスPORTO(ポルト)門司港

みなさんは、石けんを舐めたことはありますか?

 

そう聞いて、ぎょっとする人もいるでしょう。

お子さんがもし石けんを舐めていたら、慌てて止めるのではないでしょうか。

でも、それで体を洗うのに、口に入るのは体に悪い?

なんだか矛盾している気がしませんか?

 

私たちは何の疑いもなく体に悪いとわかっていながら石けんやシャンプーや洗濯用洗浄剤などで、体を直接洗ったり、体に直接触れる衣類を洗ったりしています。

その“何の疑いもなく”を根本から疑い、人々の安心安全のために挑み続けている会社が、北九州にあります。

シャボン玉石けん株式会社、名前はご存知の方がほとんどだと思います。

しかし、その徹底した“無添加”へのこだわりまでご存知でしょうか?

 

例えば、先ほど投げかけた「石けんを舐めたことがあるか」という問い。

シャボン玉石けんでは、無添加石けんを作る過程で石けんの素を舐めてその出来具合を確認します。

実は、工場見学をさせていただいた際、我々ポルトスタッフも舐めさせてもらいました。

工場見学前にシャボン玉石けんの代表取締役社長である森田隼人さんとお話しし、シャボン玉石けんがどれほど人々の安心安全のために尽力しているか、そして工場見学で実際にその明らかな安全性を目の当たりにしていたため、何の抵抗もありませんでした。

 

みなさんにも、無添加の重要性を知ってほしい。

その思いもあり、数回にわたり、シャボン玉石けんの代表取締役社長・森田さんとポルト代表・菊池との対談、そして工場見学の様子をお伝えしたいと思います。

 

 

まずは簡単に、なぜシャボン玉石けんへ訪問することになったのか、その経緯についてご説明します。

 

ポルト代表・菊池は以前、ライフサイクルアセスメントという環境に関する業務に携わる仕事をしていました。

環境に配慮した製品が正しく消費者の手元に届き、コミュニケーションもきちんと取ることでしっかりと理解された上で売れる、そういった社会を作っていきたい。

CSRや環境に配慮した製品に取り組んでいる会社が正しく評価され、市場で一定の価値を認められる、棚にはそういった商品ばかりが並んでいる世界観を作れないか。

そんな思いもあり、宿をやるにあたり、体に関わるものに関しては環境に配慮した製品を使うと決めていた菊池。

そう、門司港ゲストハウスポルトに置いてあるシャンプー・リンス・ボディソープ・手洗い石けん、また食器用洗浄剤・洗濯洗浄剤に至るまで、すべてシャボン玉石けんの製品です。

そんな縁もあり、またもともとシャボン玉石けんのファンで『どうしても本社に来たかった、森田さんと会ってお話ししたかった』という菊池の熱い想いが伝わり、今回シャボン玉石けんへの訪問が実現したのです。

 

 

ではさっそく、対談の様子を綴っていきます。

 

どういう思いで商品を作っているのか、それを外に広めているのか。

今後、未来をどう作ろうとしているのか。

 

それを紐解くために、まずは【香害(こうがい)】について聞きました。

【香害】とは、柔軟剤などの香りに含まれる化学物質が、めまいや吐き気、思考力の低下、化学物質過敏症などの健康被害を引き起こすことを言います。

シャボン玉石けんは、その問題に真っ向から立ち向かうため、大々的な広告を発信しました。

 

*

 

【香害】について

菊池  世の中にはまだあまり認知されていない問題で、外に打ち出していかなければいけないことだとは外から見てても思うんですが、内側からこういうものを発信していくのはけっこう葛藤等もあったのではないかと。

森田社長 そうですね。

菊池  これだけ大手や他社さんがいらっしゃる手前、メディアにポンと載っけたときに「シャボン玉攻めたな」と思われたのではないかと思うんですが、森田さん自身はなぜ発信しようと思ったのか、どのような思いでこれを伝えようとしたのかを先に伺えたらな、と思います。

森田社長 【香害】自体はシャボン玉が考えた言葉ではないんですが、2012年くらいから被害が急増してるのもあって、数年前から会報誌などで『世の中にこういうものがある、天然のものがいいよ』という案内はしてたんですね。2016年に当社がウェブ上で400人くらいを対象にしたアンケートでもやっぱり半分以上の方が何かしら気分が悪くなったことがあるという結果が出まして。その後、このお手紙をいただいたんですね。

菊池  広告にも使われているものですね。

森田社長 そうです。思ってる以上に切実というか、ある程度知ってるはずの我々でもここまでだったのか、と思うほどで。我々の企業理念は『健康な体ときれいな水を守る』なんですが、健康な体を守れてないのではないかと。なぜならば、香料による健康被害や化学物質過敏症という病気があることを知っている方はまだ少ない。こういう症例が出てるということを世の中の人に知ってもらわないといけないっていう思いがあって、新聞で意見広告を出そうということになりました。しかも、全国紙で二回連続で出そう、と。そうした方がより広く多くの方にお届けすることができるんじゃないか。その反面、けっこう刺激的というかセンセーショナルな部分もあるので、社内でも賛否両論はものすごくありました。

菊池  そうですよね。

森田社長 これだけコマーシャルなどを見ても香料を全面的にプラスのいいものとしてアピールしてる中、過激なインパクトのある、しかも残る新聞という媒体で打ち出したので、やはり社内に不安はありましたね。広告の出る当日の朝礼で「逆に、本当に香料も何も使っていない当社でしか世の中に発信できない事柄であり、“健康な体ときれいな水を守る”という企業理念から言っても、当社がやるべきことだ」ということを社内に向けても発信しました。

 

*

 

そんな強い思いで打ち出した広告は、その日のうちにネットニュースのトップになるほどの話題となり、『シャボン玉石けん英断』など、ネット上でも好意的な書き込みが多く見られました。

しかし、それでも森田社長の戦いは終わりません。

 

*

 

森田社長 よかったな、と思う反面、書き込みの内容が「よく言ってくれた、ありがとう」「私だけじゃなかったんだ」という声が多かったということは、こういう思いの人がもっともっとたくさんいたんだということをまた改めて知ることにもなって。これはなんとかしないといけないな、ということで今年ショートムービーも作らせていただいたり、引き続き啓発活動に努めています。

 

 

イズムについて

菊池  一社でこれだけ発信するのも大変だと思いますが、それだけコアな思いがないと社内の人に理解してもらったり世に打ち出すのは難しいですよね。

森田社長 そうですね。

菊池  シャボン玉石けんの先代も認知がない中で苦労してきて、代が変わってご自身が、となったときにもその壁に当たって今も戦っていると思うのですが、そういうときにここまでのメッセージを出すのはそれだけの思いがあってのことだと思います。それは幼い頃から育まれたものなんでしょうか?それとも森田さん自身が徐々にそうなっていったんですか?

森田社長 幼少期は会社の状況はまったく知りませんでした。中高生くらいで本を読んで会社のことを知って。会社に入って、通信販売をやっていますのでお客様からの手紙のストックがあるんですね。それを研修中に読ませていただいたりして。そこからだんだん会社の思いに対する共感が強くなっていきましたね。また、営業職を長くやっていたんですが、感謝される一方でスーパーやドラッグストアに説明したところで必ずしも置いてもらえるわけではない。お店に置いていただいても売れるか売れないかわからないというもどかしさがありました。伝えたり広げたりする難しさを感じる中で、それが逆に考えるきっかけになったというか、興味を持つきっかけにもなりましたね。先ほどの広告もそうですが、『うちは言うべきことはしっかり言う会社だ』という長年やってきている姿勢、そういう強い、ブレない軸を先代の時から作ってもらっているので、そこはしっかりと貫き通した結果、今につながっているのかな、と。

菊池  先代からのイズムのようなものがしっかりと引き継がれているんですね。

森田社長 そうですね。

 

モチベーションについて

菊池  そのイズムを引き継いで、シャボン玉石けんは安心安全をこれからもずっと発信し続けると思うのですが、気候変動が問題になってきた時期からCO2がたくさん排出されると温暖化が進むよ、というような危機を煽るようなことは20年以上言われ続けているにも関わらず、行動には結びつかない。そういうジレンマをシャボン玉石けんさんも何十年も抱えていると思うんです。その壁みたいなものをおそらくずっと感じられていて、そこをコツコツと叩いているような感覚だと思うのですが、そこをブレずにやり続けるその姿勢のモチベーションの維持はどこからきているんですか?

森田社長 モチベーション維持の一つはやはり、お客様の声です。嬉しい、やってよかったと思いますね。使ってるわよ、という声は励みになるし、そういう声をもっと広げたい、と思います。まず知ってもらう。選んでもらう土壌にまだなってないので、まだまだ広げる余地があって、広げることによって幸せな部分も広がると思ってやっているので、そこがやりがいであり、モチベーションの維持になっています。

菊池  シャボン玉の無添加石けんが本当にいいものだということを認知してもらうことがモチベーションになっているということですね。その第一ハードルを超えたいと。

森田社長 そうです。石けん一個作るのに一週間かけていますし、使用感も良い。いいものを作っているので、その心地よさも含めて知っていただきたいと思っています。

 

*

 

前半では、話題となった【香害】をはじめ、森田社長が先代から引き継いだ思いをどのように紡いでいっているのかについて迫りました。

念願の森田社長との対談とあって、後半も代表菊池の前のめりな質問攻めは止まりません。

きっとみなさんが知りたいことにも繋がると思います。後半も、どうぞお楽しみに。

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