bg
シャボン玉石けん会社訪問《対談編》後半
カテゴリー:ポルト解剖
ゲストハウスPORTO(ポルト)門司港

憧れの人との対談とあって緊張しまくっていた菊池ですが、後半になると少しほぐれて、その分前半より突っ込んだ質問も。

その辺にも注目しつつ、ご覧ください。

 

認知の難しさについて

菊池   シャボン玉の石けんは無添加でいいものだ、また逆に世の中の石けんや洗浄剤には有害なものも含まれている、と認知している人はどのくらいいると思いますか?

森田社長 ……1%いないんじゃないかと思いますね。

菊池   そうですよね。

森田社長 シャボン玉石けんのイメージで、これは安全と思ってくださっている方はたくさんいらっしゃると思うんですが、何がどういいのかまでは知らない方もいらっしゃいます。

菊池   アレルギーがある方くらいしか、まだ裏書きの成分までちゃんと見る人は少ないですよね。

森田社長 多少は増えたかな、という気はしますけどね。食品は裏面まで見る方が増えましたから。その次のステップが体に直接触れるもの・衣類を洗うものという風になってくると思います。

菊池   認知は徐々にされてきているけれど、購買行動には結びついていないと思うんです。わかってはいるけど価格帯が高かったり、買える場所もそんなになかったり、総合的に判断してると思うんですよね。そこの壁を壊さないといけない。そういう認知の壁を越えるのもけっこう大変で、香害の広告が出ても、それでもまだ難しい、っていう感じじゃないですか。そういった中で、今後将来的にどこまでできればいいと思っているのか。世の中にこういったことをどうやって広げていって、どういった社会を作りたいかというところをお伺いできればな、と。

森田社長 そうですね、やっぱり安心安全といったカテゴリーの商品を作っていることでいうと、まず食ありきだと思うんですね。なので我々の商品を取り扱っていただいているのは自然食品店が根強い。食に関する関心は高まってきているのでそこと連携して何かやっていきたいという考えはあります。また、今一番やってて面白い、手応えが目に見えるのは講演会や小売店さん向けの勉強会などですね。やっぱり伝えてくれる人を増やすというか、情報発信してくれる人を増やす、ということです。

菊池   なるほど。

森田社長 全国各地に地域に根差して展開されているところがたくさんありますので、そう言った企業さんや小売店さんに「こういう他と違う商品はしっかりと取り組んで売っていこう」と言っていただくことで、しっかりと差別化もできますし、地域の人たちのためにもなる。そういったところでは“取り扱う”ではなく“取り組む”と言っていただけるんですよ。単品ではなくカテゴリーをまたいで、いろんな商品で取り組んで展開していこうという企業さんも増えてきています。消費者はわからないことがあれば売り場の人に直接質問したり、会話のコミュニケーションがあったりしますよね。売り場の方に1人シャボン玉石けんのファンがいる店舗って、小さくても同じ系列の大きいお店より売ってくださるんですよ。自分から「こういう成分なんですよ」と説明していただけたりもする。地道ではありますが、そういう人たちをもっと厚く増やしていければな、と思っています。それによって多くの人がシャボン玉石けんを知るきっかけになる。またシャボン玉石けんでなくても、成分に関してもう少し関心を持つようになる。「買い物は投票なんだ」という人もいらっしゃって、確かにそうだなと思うんです。壁は高いですけども、少しずつ地道な活動は引き続きやっていって、じわっと広げたいなと思っています。

 

 

地元への思い

菊池   そうやって取り組んでいくときに、僕自身は地元って大事だなと思っていて。創業地である北九州というところは環境的に公害も多かった土地ですが、市内での取り組みというか、地元に注力している部分というのもあるんですか?

森田社長 そうですね、売れないながらも潰れなかったということも含め、多くの方に支えていただいていることもですが、北九州が環境都市ということは当社としてもありがたく、応援してもらいやすい、ということがあります。『環境といえば北九州、そんな北九州で頑張っているシャボン玉石けん』という。そして企業としては地元に支えていただかないといけない、ということで、いろんな地域のお祭りに参加したり子ども食堂に協賛させていただいたり、ボランティアに参加させていただいたりしつつ、地元には今後も貢献していくつもりです。

菊池   僕の感覚としては、どの薬局にもシャボン玉の商品は大抵ありますし、宿のボディソープを買うときにもどこも売り切れだったりして、それだけ北九州では認知が進んでいるのかな、と。地元で認知が広がっている実感はありますか?

森田社長 ありますね。工場見学をずっとやってきており、のべ20数万人の方に来ていただいたり、地元に関していうとお昼や夕方のニュース等で取材していただいたり、地域のお店も地元の商品をもっと売るように言ってくださったりだとか。地道な活動というのは多くやっていますので、安全なものという認知は広がっていると思います。粗品で配られることも多いので、実際に使う機会も多い。実際に使っていただくといいものだというのはわかっていただけると思うので、そういったことで広がっているんだと思います。

 

情報発信について

菊池   今は情報が遠くまで飛ぶようになってきて、SNSやインターネットの力で地元の小さな活動でも、多くの人に支持される活動をすれば遠くに広がる可能性があるっていうのは、森田さん自身も体感されていると思うんですけど。そういう、拓けてきたっていう実感はありますか?

森田社長 そうですね、それでいうと昔の方があったかもしれません。北九州というのは大きな会社の支店や支社が多い地域で、3、40年前のシャボン玉石けんがあまり売れていない時代、とはいえ足繁く営業をかける中で置いてもらえるお店がそれなりにあった頃、そこで使った人たちが転勤などで各地に散らばって、こっちには置いてないから取り寄せよう、ということで広げていただいた面があります。社宅で赤ちゃんが生まれた、と聞けばこれが良いわよ、と贈ってくださったり。そういう背景もあるので、現代版口コミというのも含めて大事だなと思っています。

 

実感について

菊池   そうやってブレずに続けていることによって、生活者の方の安心安全や環境に対する意識が高まっていることの成果は森田さん自身は肌で感じてらっしゃいますか?

森田社長 我々の成果とは思えてないですね。ですが、世の中的には安心安全を求める声は増えていると感じています。企業もそうで、2000年前後にドラッグストアが台頭してきた頃はまずは安く売る、だったものが、薬局だからちゃんとしたものを売らなきゃ、という考えも出てきた。安く売るものは安く売る。付加価値があるものは付加価値をつける。付加価値も、ものがいいとかではなく安全なもの、環境にいいものを売る、そういうが増えてきた。そういうものが広がりをみせてきた、というのは感じますね。

 

《ポルトの思い》

ここで今一度、代表菊池の宿運営に関する思いをお伝えできればと思います。

世の中に流通する商品が生活者の方と接点を持つのはほぼ店頭に限られますが、代表菊池はそれをアプローチとして変えてみたい、という思いがあるようです。

宿というのはそのためのメディアとしてはとてもいいものだと考えていて、それは、生活者の方との接点として“コミュニケーションする時間が単純に長い”ということ。文化を伝えるという点でも、暮らしを伝えるという点でも。

例えば、全く違う地域の宿に泊まってその地域のものをちゃんと扱っていて、地域の文化を正しく伝えてくれている、近隣にはこんな美味しいお店がありますよ、というのを教えてくれる宿だと、1日でも、試しにそこで暮らしてみた気持ちになる。

それが観光になる。

 

それを、私たちポルトは門司港で取り組もうとしているのです。

 

その中で、地元で正しく活動し、ずっと体に優しいものを作っているシャボン玉石けんを選択肢として選ぶのは、菊池としては当然のことだったようです。

泊まっていただく方も必ず使うものなので、体感する機会が増えるし、トライアルが増える場所としては最適だと。

 

しかし、気になることもあります。

 

宿での役割について

菊池   僕がショックだったのは、北九州市の宿でシャボン玉石けんを取り扱っているところがいまだにない、ということで、業界的にも変えていかないといけないところだなと思っているんですが。そういったところで広がってほしいなという思いはありますか?

森田社長 環境を気にしている温泉宿などでは一部あるんですが、まだまだ一般的ではないですね。先ほども言いましたが使っていただければ「いいな」と思っていただけるケースが多いですし、宿泊者が増えれば増えるだけ排出されるものでもあるので、環境にもいいということを含めて広げていかなければいけないなと思っています。

 

 

 

理想について

菊池   5年後10年後、こうなっていてほしいという理想はありますか?

森田社長 そうですね、全国的にはまだまだですのでシャボン玉石けんが全国どこでも買えるようになることと、施設内利用を増やすことです。施設内利用には力を入れておりまして、ヤフオクドーム!の手洗いや、病院・介護施設の現場で手洗いせっけんやボディソープを使っていただくことが増えています。医療や介護の現場の方は毎日20回30回と手を洗いますので、環境というよりは手肌にやさしいという面で広がってきています。施設内利用はまだまだ増やしていきたいと考えていて、そこで使ってよかったから、という広がりがみられれば、と思いますね。

菊池   そのためにブレずに認知も広めていきながら…

森田社長 そうですね、企業のブランド価値もより尖ったものになったと思うので、そう言った意味ではシャボン玉石けんはこういう会社、という姿勢は崩さずにもっと多くの方に伝えて、うちの商品はいいものですよ、ということも含めて伝えていきたいですね。

菊池   将来日本中に認知されていて、地元に限らずどこでも買えて、消費者の方が選べるようにしたい、というのが、森田さんが戦っているというか、そこに向けて今取り組んでいることですか?

森田社長 そうですね。また、日本だけでなく行ける限りの海外も含めてですね。

菊池   日本以上に環境破壊が進んでいる地域にも間違いないように、そういう社会にならないように取り組んでいく、そこをどんどん広げていく、ということですね。

森田社長 そうです、海外の場合どうしてもやはりまだ価格が高いんですが、まずは環境よりも安心安全を第一に、ご理解をいただきたいなと思っております。

菊池   今日は貴重なお話を本当にありがとうございました。1人で取り組むだけでは無理なので、いろんな人といろんな形で協力しながらやっていかなければいけないなと個人的には思っているんですが、森田さんが「地元も含めていろんなところと一緒に取り組んでいけたら」とおっしゃっていたので、非常に嬉しかったです。これからもシャボン玉石けんを使い続けていきます!

 

BOOK NOW!!いますぐ予約する
top