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カクテルスナック舘
カテゴリー:門司港酒場放浪記
ゲストハウスPORTO(ポルト)門司港

『有楽街』。

この雰囲気に惹かれない人などいるだろうか?

タイムスリップ感が半端ない。

いざなわれるように奥へ進むと、【カクテルスナック舘】の文字が目に飛び込んできた。このスペースで三つも看板があるなんていささか主張が強い気もするが、“舘”以外のフォントはそれぞれ違ったりして、こだわりを感じたりもする。カクテルスナック、という響きもいい。

もうそれだけで、このお店で飲む理由は十分だ。

 

扉を開けて、初来店の人は先ほどのタイムスリップ感が再び襲ってくるのではないだろうか。というよりは、浦島太郎感とでも言うべきか。

迎えてくれるのは・・・

かわいらしいおじいちゃんとおばあちゃんなのだ。

お主人の方は蝶ネクタイを締め、バーテンダー然としている。一方の奥様は、赤いエプロンがとってもチャーミング。二人のこのちぐはぐさもまた、かわいらしさを倍増させている。

 

ご主人は御年90歳(!)で、バーテンダーとして独立してからもすでに半世紀ほど経っているとのことで、その腕前は折り紙付き。ウイスキーなども揃っているが、店名にもある通り、お洒落なカクテルだってつくれちゃう。

・・・ただし、最近少し手元が危ういということで、シェイカーを振るのは15歳年下の奥様の担当。そんな二人三脚な様子も微笑ましく、このお店の大きな魅力となっている。

なんてたって二人の掛け合いはすさまじい。二人の会話は、まるっきり夫婦漫才のソレである。もう40年以上連れ添っているというが、二人の会話は止まらない止まらない。ご主人の間違いを正す奥様の突っ込みは鋭く、シビれるものがある。あぁやっぱり、夫婦は男が尻に敷かれる方が上手くいくんだろうなぁ、と人生の先輩に学ぶ思いである。

 

さて、奥様がシェイカーでつくってくれた美しいカクテル。なんと、ご夫婦で照らしてくれるサービスもある。これがまたかわいらしく、わたしは毎回お願いしてしまう。

これに萌えない人なんている・・・?

二人して競うように照らしてくれるのがまた、かわいいんだよなぁ。

そして飲食メニューも豊富。“ピッザ”とかもうかわいらしい。“スイトコーン”とか。ふふふ。萌え。

 

とにかく萌えしかないカクテルスナック舘。二人の漫才のような会話を聞いているだけでお酒のツマミになるくらい楽しいけれど、お二人は根っからのおしゃべり好き。こちらにも話を振ってくれるので、一人で行ってもさみしくなることはなく、楽しいひとときを過ごすことができる。

しかし、一つ注意事項が。上機嫌で昔の写真や趣味のプールの写真を出してくれたら、きっとスイッチが入ってしまった合図・・・その後さらに饒舌になってしまう可能性大。そもそも二人でも会話が止まることがないのだから、スイッチが入ったら最後、話は永遠と続くと思っていい。(なんせ最大で90年分である)

その場合は腰を据えることを覚悟して、もう一杯カクテルをお願いしよう。照らしてもらうサービスも忘れずに。

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